農地も土地という財産と同じですから遺産分割はできます。
しかも、通常の農地の譲渡と異なり、相続による農地の移転、遺産分割による農地所有権の移転について知事の許可は不要です。
但し、農業基本法16条で農地の零細化は好ましくないとして、「遺産の相続にあたっては従前の農業経営をなるべく共同相続人の一人が担当できるようにすべき」と定めています。
農村地域では、単独承継するように様々な対策をおこなっているようですが、都市近郊の農地では将来宅地化の可能性が高く、相続人間での調整が難しい場合もあるようです。
農地の遺産分割による名義変更は農地法などの関係もありますが、個別具体的案件が多い分野でもある。複雑な案件は相続相談で確認し対応される事をお勧めします。
実務では、まず、農地法を説明して、できる限り農地を継続する方が相続する事を勧めます。問題となるのは、その農地をどう評価するかです。
農地の管理は大変だからと、農地を相続財産が外して考える相続人の方もいますが、大概は、財産は財産なんだからとなります。
そうなると、話は複雑になってきます。
農地をどう評価するか、場合によっては、農地を相続される方が他の相続人へお金を払る事もあります。では、そのお金を農地を継ぐ人が払えるかどうか?・となります。
ただし、方法はありますので是非、専門家へ相談される事をお勧めします。