たとえば、同居のパートナー(籍は入れていない)が、病気の看病をしたり、お葬式の費用など実際の費用を負担されたとします。その時の費用を請求する事は可能(あくまで裁判所が決める事なので、可能性とします)です。
方法は最初に相続人が居ない事を証明するために、戸籍や住民票の徐票など集め、家庭裁判所へ「相続財産管理人の選任」を申請します。戸籍や徐票が必要な理由は本当に相続人がおらず、さらに実際に死亡している事を証明するためです。
ここで相続人がいる事が判明したら、この申請は当然、できません。
申請し、財産管理人が選ばれると、一旦、財産はこの管理に属する事となり、パートナーは、この方へ、かかった費用について請求する形となります。
申請自体は難しくはありません。が、全ての処理が終わるには1年半~2年間は必要となります。 もちろん、これ以上かかるケースも多いと思います。
時間がかかる理由は財産を受け取るまでに、公告とう制度。公に知らしめる期間として2ヶ月・・・といった感じで何度も公告をする事が法律で決まっているからです。
こういった制度がある事は大変ありがたいのですが、これだけの時間と労力をかけて・・・それなりの資産がないと、この制度はおいそれと使えないのも事実です。
やはり、予防法務として遺言書をお薦めしたいと思います。
相続が発生しても相続人がいなければ、財産は国のものになります。これはご存知の方もいるかと思います。
では、相続人が居ないとはどういう事でしょうか?
まず、お子様が居ない。お子様がいれば、財産はお子様へ相続されます。
次に配偶者がいない。独身の場合もあるでしょうし、配偶者に先立たれる場合もあるでしょう。次にご両親が居ない・・・高齢で先に他界する場合も考えられます。そして、兄弟がいない。兄弟がいれば、兄弟で分ける事となります。ご両親にはご兄弟がいますので、いわゆる従兄弟はいます。
しかし、この場合の従兄弟は相続人とはなりません。そんな方は珍しい・・・いえいえ、そんな事はありません。意外と多いものです。簡単に言えば、一人っ子の独身で両親が先に他界している・・・場合です。一人っ子が、結婚という形を取らず、以前、ここで紹介したように、パートナーとして暮らす場合もあるでしょう。パートナーと暮らす事はこれからは珍しくありません。
では、どうすれば良いでしょうか?
国に納めると結論つけるのも一つの方法ですが、お世話になった方(特にパートナー)がいれば、その方へ残す旨を書いた遺言書が一番適しています。