受刑者の遺言は?? 個人的に疑問に思い、調べました。
結論としては、2つの遺言書が可能です。
1 自筆証書遺言
2 一般隔絶地遺言
自筆証書遺言は、今更、書く事もないですが、>> 遺言書について
気になるのは2つめの一般隔絶地遺言だと思います。
そもそも、受刑者は、公正証書遺言も秘密証書遺言は書けませんので、民法977の規定が適用されます。
第977条
伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。
つまり、「伝染病のため・・・」とあっても、伝染病に限らず、いわゆる一般社会との接触が、事実上、法律上、自由に出来ない場所にある人、全てに適用されるとなっているようです。
ただし、この場合は民法1004で、
第1004条
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。
があり、公正証書遺言でないので、検認が必要となります。
さらに、民法983で
第976条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から6箇月間生存するときは、その効力を生じない
となっているため、出所した後、半年経過すると効力がなくなる事になります。
もちろん、自筆証書遺言の場合は、適用されませんので、6ヶ月経過しても問題ありません。
余談ながら、受刑服役者の文例を少し・・
遺言者Aは、・・・刑務所に受刑中のところ、平成26年10月1日後記、警察官及び証人の立ち会いをもって次ぎのとおり遺言し筆者にこの証書を作成させた。
※ この後は普通の遺言書の内容となります。
ちなみに、印鑑はもってないので、「拇印」での証明となります。