負担付遺贈、とは、遺贈を受ける者に対して、遺贈とともに、一定のなんらかの法律上の義務を負担させるものをいいます。
この時、付ける負担は、法的な義務に限ります。
しかし、負担付遺贈は、贈与を受ける相手に対して、法律上の義務を履行すること、あるいはしないこと、を遺贈の条件とするものではありません。
したがって、負担の部分についてとくにどうこうしなかったとしても、遺贈した人が死亡すれば、遺贈の部分については効力が発生することになります。(ただし、遺贈を取り消すことはできるので、遺贈の取消の問題にはなり得ることには注意が必要です。)
負担付遺贈は、包括遺贈の場合でもすることができます。
ところで、負担付遺贈と似ているものに、停止条件付遺贈(ある条件が成就した場合に、遺贈が開始する、としたもの)というものがあります。
このふたつの区別は、遺言の解釈によるところもありますが、そのいずれかが不明な場合、遺贈の効果が不明確な状態のままとなってしまいます。
ですので、そのような場合は、負担付遺贈と推定するべきであるとされています。