遺言書は生きている間は「ただの紙」です。ところが亡くなると、契約書へ変身します。

つまり、先が分からない事に対しての契約書なので、細かな事を書いても、財産整理してもあまり意味がありません。

よく、遺言書に銀行口座や金額など書かれたサンプルを見る事がありますが、全く意味不明に思えます。

銀行は離合集散で名前が変わり、支店も統廃合で、今の時代(令和3年)、どんどん減っていくでしょう。

遺言者は自分でお金が無くなるまで使っても問題ありませんし、不動産を担保にお金を借りたり、現金化する事もできます。

そんな先の見えない遺言書の目的は何でしょうか?

それは、「大事な人を守るため」と、考えます。

その視点から遺言書を考えると極めてシンプルなものに落ち着きます。

「うちは子供が一人いるから遺言書は不要ですよね・・」というご相談がありました。

確かに、財産の流れとして、子供同士の争いはないでしょうが、あなたが亡くなった場合、妻を守れるか? と考える事をお勧めしました。

将来は子供に財産が流れるから・・税金対策としては分けたほうがいいかも・・・など、よく耳にする事です。

例えば、ご自宅には奥様が住み続ける・・でもリフォームや、生活費など、全て賄う事はできますか?寿命はどんどん長くなっています。

資産家の方であれば、税金対策は大切です。けれど、まずは配偶者を守れるか?という視点で考える事をお勧めします。OKなら問題ありませんし、不安であれば、遺言書の内容をより確実に守れる内容にする事が必要となります。

もちろん、どんながあっても子供が守ってくれるから大丈夫と確信されるのであれば良いのでしょう。ただし、奥様にとっても、そして子供にとっても「将来の契約書」である事をお忘れ無いように。

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