遺言書が改ざんされた場合、「改ざん部分」は遺言書の意思に基づかないので、無効となります。

では、改ざん部分以外、または改ざん前の遺言書については、もともとの遺言者によって、有効に作成された遺言である場合、その内容が実現できるように遺言内容を調査する事となります。

つまり、単純に改ざんがあるから全て無効とはなりません。

改ざん前の遺言書の実現を努める場合、手続きとしては、改ざんされた遺言書の状態を確定し、その現状を明確にするために、家庭裁判所に遺言書を提出して、検認を請求する事となります。(民法1004条)

ところで、遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者は相続人にはなれません。

推定相続人が改ざんした場合は、相続資格を失い、相続が出来なくなります。ただし、相続資格を失う程度とは、単に故意に改ざんを行うだけでなく、不当利得を得る目的がある事が必要とされています。

一方、受遺者が改ざんした場合は、受遺者の資格を失い、遺贈を受ける事ができなくなります。

この違いは、相続人であれば、改ざんなどせずとも、法定相続分については権利があるためと思われます。

結局は改ざんされない遺言書、公正証書遺言が安心という事になります。

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