相続が発生した場合、子供同士など、兄弟間相続についての争いは被相続人の親の準備次第で、大半が予防できます。
こんな事を言うと、「そんな事を言っても・・・」と言われそうですが、冷静に問題が発生したケースを見ると、やはり親です。
言い換えると、相続争いの責任は親にあるとも言えます。
もちろん、代襲相続の結果、相続人になるケースとは異なります。あくまで、親子に関する限り、親の責任であると思います。
あまり好まれる話ではありませんが、その例を少し紹介します。
1 生前に父が・・(又は母が・・)私にこう言ったから・・
よくある話です。特に高齢になると、気弱になってきます。毎日、顔を出す、娘(長女)がいたとします。たまに来た長男に「あれは財産目当てだから、・・長男のおまえだけが頼りだ・・」など、ちょっとしたリップサービスで言ったとします。
まさに、相続が始まったから、長男と長女で争え・・・と言っているようなものです。例え、争いがなくても、心のわだかまりは残る可能性が大きいのではないでしょうか。
つまり、親は、無責任な言動を、できる限り差し控える事が必要です。
2 財産に不透明なものが多い
別に、隠す気持ちはありません。けれど、何処に何があるかわからないと、例えば親と一緒に生活した長女に対して、遠くに暮らす次女からみて、財産を隠している・・なんて、疑問を持つかもしれません。
口に出す事はなくても、「こんなに少なかったかしら・・」とか「あの銀行の・・通帳見た事あるけど・・財産に入ってない」など、思っている方は多いものです。第三者として、相続人から思わず口から出る言葉として、何度も聞いた事があります。
このような場合に備えて、エンディングノートがあるのではないでしょうか。
3 遺言の活用
このブログでも一番多い記事は遺言書です。
ただし、書き方を間違えると、かえって、問題を大きくする場合もありますので、出来れば専門家に相談する事をお勧めします。
もちろん、よく出来た遺言書もありますが、専門家が作っていながら、正直、酷い内容もたくさん目にしました。
たとえば、相続財産の3分の1を長男に・・等といったものです。税金対策で作成したようですが、財産の指定がなく、かなり問題となりました。
遺言書の作成サポートをする方は大勢いると思いますが、出来れば執行経験など、実際の相続の現場を数多く知っている専門家へ遺言書の作成をお願いする事がベストであり、もちろん、公正証書で遺す事が大切です。