相続で、揉めて、悩んでいる方が、いらっしゃいます。

この場合、親戚の方を間に挟んだり、弁護士や、家庭裁判所を使って和解や調停、訴訟という形で解決される場合が多いようです。

仕事の範囲として、もめる話をお聞きする事はありますが、具体的な解決となれば、弁護士でなければ出来ません。

同業者では、それが出来ない事を残念に思う方が多いのですが、私は、幸いだったと思います。

具体的な解決となれば、どちらが、ある意味、「勝って」も、どちらかが「負ける」わけです。

解決のお手伝いを仮に行ったとしても、個人的には、後味がよいとは思えません。

普通に考えると、変な主張だな・・・と思っても、主張される方は、主張する限り、自分に正当性があると信じています。

そのため、第三者的に見れば、妥当かなと思う事でも、その方にとっては、悔しい思いをする事となります。気持ちの話となれば、理路整然した理由は関係ないのです。

そんな事に関わる事なく、もめない相続手続きをお手伝いするほうが自分には合っています。

そういった意味で、もめ事の相談を受けても、仕事として出来ません・・と言えるのは、助かったと感じます。

また、そんな仕事をする弁護士って、凄いな・・といつも思います。

もめた場合、選択肢は2つです。

相手の意見を尊重するか、自分意見を通すかです(相続は法定相続があるのですが、それを踏まえて、もめる場合です)。

相手の意見を尊重した場合、つまり、もめそうなっても、相手の意見を尊重して、言い換えると自分の意見を通さない場合ですが、その場合、相手の意見を尊重した方は悪いようにはならない事が多いように思えてなりません。逆に、意見を尊重して貰った相手、つまり、ご自身の主張通り行う場合、しかも、それはちょっと・・と思うような強い要求の場合、その後、余りよい話はお聞きしません。

21年間、相続手続きの仕事をしての不思議でもあります。

もめるのが嫌だから妥協される方・・一見、自分の意思を通さないの・・と思われるかもしれませんが、もめ事を避ける方は、その後もお付き合いをする中で、普通というか、幸せに暮らす事が多いようです。たぶん、相続を通じて嫌な思いを断ち切ってサバサバした感じ、いいかえると、魅力的な性格とも言えるのかもしれませんが、おおむね、ハッピーに思えます。

もちろん、そうでない人(ご自身の意思を通す方)は、それなり・・という意味ではなく、不思議な事に方が、あまりハッピーでない方が「少なからずいらっしゃる」という意味です。言葉を濁しておりますが・・・

相手の弱み?を握って、有利に交渉を進め、勝ち取った・・みたいな相続の場合、そもそも、私の手を離れ、家庭裁判所や弁護士の手に委ねるのですが、いわゆる負けたお客様の話では、勝った側には余り良い事は起こらないようです。もちろん負けた側は、その後もつつがなく幸せに暮らしているようです。

勝つとか、負けるとか、そもそも相続財産の所有者にも原因があるかもしれません。100%安心・・・とは言いませんが、前向きの対策としての公正証書遺言の作成をお勧めしております。

相続遺言プロ事務所・八王子、多摩地区